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ついに、マンシンデオ(Mansinghdeo)が野生生物保護区に

Times of India ナグプール・ムンバイ、2010年11月27日

前知事のアショク・ショバンは、アダーシュ協会の建造物が環境法に違反したことを受け、辞任することとなったが、辞任の前日、ペンチに隣接するマンシンデオ野生生物保護区の発表をし、保護活動の大きな後押しをした。

183平方キロのマンシンデオを野生生物保護区に指定する公式な通知は、9月2日に発表された。マンシンデオ野生生物保護区は174平方キロの国有林(RF)と9平方キロの保安林(PF)から成る。これによりこの地域は17年間、野生生物保護区として宣言される。現段階では、州は15331平方キロを保護する41の保護地域(PA)があり、それは州の地理的範囲の5%にあたる。これは森林政策により7%以上でなければならない。マンシンデオは42番目の保護区となる。

マンシンデオの基本提案は1993年の6月に、当時世界自然保護基金(WWF)に所属していたプラフーラ・バンブルカー(注:現在はWTIに所属)と、ニティン・デサイにより提出された。それ以来、提案は官僚的形式主義のせいで進展がなかった。2007年6月14日に、ヴィラースラーオ・デーシュムクを議長とした州の野生生物会議が提案を認証した。

それでもまだ、この区域の一部にチーク材のプランテーションを経営していたマハラシュトラ州森林開発公団(FDCM)の反対により具体化はしなかった。2008年に、州知事のアショク・ショバンはマンシンデオを野生生物保護区に指定する意思をほぼ固めた。彼はこの約束を辞任する前に遂行した。

マンシンデオはFDCMの74平方キロ(23区画)、ナグプール森林局の99平方キロ、保安林としてバカーリのリティ(放棄)区域の一部を含む9平方キロよりなる。この区域は野生生物が豊かで、トラ、ヒョウ、その他の動物の主要な生息地であるペンチ・トラ保護区に隣接している。マンシンデオはペンチ・トラ保護区、ナグジラ野生生物保護区(注:トラ保護区にも指定される予定)、タドバ・トラ保護区、メルガート・トラ保護区の間に位置し、これらの生息地が互いにつながる一助となる。

ところが州政府が内密にFDCMの区域を除き、指定区域を143平方キロに縮小する動きをしていることをTOIが報じた。6月8日のこの報告に基づき、インド野生生物トラスト(WTI)会長のM・K・ランジットシンは森林環境相のジャイラム・ラメシュに対して、この問題を提起した。

その後ラメシュは知事のショバンに、マンシンデオの領域を縮小する動きがあるなら、コーラプールの8500平方キロのナナジ・ノガン野生生物保護区(注:「ノガン」は鳥類)の指定解除を取り消すと知らせた。国家野生生物保護審議会(NBWL)は州にノガン野生生物保護区を1200平方キロに減少する代わりに、マンシンデオを含む6つの保護地域を宣言するように求めていたのだ。

そのほか野生生物保護区への指定が提案された場所は以下のとおりである。イサプール野鳥野生生物保護区(ヤバトマル)(121.55平方キロ)、セイン(Thane)、プネー(pune)、アリバグ(Alibag)のラジマチ(Rajimachi)(122.96平方キロ)、西ガーツのスダガールタムニ(Sudhagarh-Tamni)(220.18平方キロ)、ガドチローリー県のコペラ(Kopela)(90.93平方キロ)と、チパガ(52.4平方キロ)。

サツプダ基金の会長であるキショール・リテは、10月のショバンとの会議の際に、確信をもって、マンシンデオは指定されるべき保護地域のひとつであると述べた。「われわれは彼のトラへの贈り物に感謝するべきだ。」と彼は述べた。また、現在WTIの現場担当者であるプラフーラ・バンブルカーは「183平方キロの領域のすべてが野生生物保護区になったのはすばらしいことです。保護区を縮小することは、マンシンデオがその意味を失わせるものでした。マンシンデオはトラ保護区であるペンチと比べても、より多様性が豊かで、より連続性のある(切れ目のない)森林なのです。」と述べた。

「生存する野生生物の再評価の研究が現段階で必要である。」とインド野生生物保護協会(WPSI)の中央インド責任者のニティン・デサイは感じている。森林局の関係者は、サオネル選出のMLA党の議員であるスニル・ケダールが、この地域が保護区と宣言されるとおよそ6つの村が道路を使えなくなることを懸念したためにこの提案が遅れたと述べた。

「マンシンデオ自体には村は存在しない」と関係者は言った。6つの村である、Dhavlapur(ダブラプール)、Ghatkukda(ガトククダ)、Saleghat(サレガート)、Sawangi(サワンギ)、Pardi(パルディ)、Ambezari(アンベラジ)は保護区の一部ではないが、村の間の行き来が影響を受ける。
(翻訳協力 瀧口暁子)


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