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密猟者、サイの角をえぐり取る ― サイは危難を生き延びる

The Telegraph紙 コルカタ、2010年1月25日

 グワハティ1月24日:

 昨夜、ラジブ・ガンジー・オラン国立公園内で密猟者らが1頭のサイから角を、失神している間にえぐり取った。このオスのサイはその危難を生き延びたが、少なくとも3発の銃弾によって負傷したものと思われる。

 密猟者が生きているサイから角をえぐり取るという事件は、アッサム州ではこれが2度目である。 昨年の1月19日に、カジランガ国立公園付近でサイの角が切り取られたが、その後サイは48時間以上生きていた。

 オラング地区の森林担当官スシル・ダイラ氏によると、被害にあったサイは、今までのところ普通と変わらず行動し草を食べているが、経過を監視しているところだという。

 「鋭利な刃物で角がえぐり取られたとこらから出血している様子です。弾痕を確かめてはいませんが、私たちは昨夜、少なくとも3発の銃声を聞きました」とダイラ氏。同氏によると、この20歳のサイの監視を明日まで続け、麻酔して治療を行うべきかを決定するとのことだ。

 この事件はジャウニ・カポリで起こった。ここは国立公園の一角にあたり、ブラマプトラ川の水路によって主要地域から切り離されているところだ。

 「ジャウニ・キャンプで我々のレンジャーが3発の銃声を聞き、現場に急行しました。現場に着いた時3人以上の密猟者を発見したため、彼らに向けて発砲したのですが、取り逃がしてしまったのです」と、ダイラ氏。今朝、レンジャーが血痕をたどって負傷したサイを見つけ出した。「サイの行動には異常がなかったので、サイが血を流しているのを見てはじめて角がなくなっていると分かったのです」とダイラ氏。

 サイは弾に当たってから恐らく短い時間意識を失った状態になり、サイが死んだものと思った密猟者がその間に角を切り取ったのではないかと、この森林担当官は言う。「このサイは十分成長しているので、おそらく弾丸は丈夫な皮膚を貫通せず、生きるために重要な臓器に損傷を与えなかったのでしょう。」

 サイ60頭がいるこの国立公園ではこの様な事件は初めてのことである。国立公園の周辺に住む多くの村人が、密猟者一味を追跡するレンジャーに協力しているとダイラ氏は言う。
 さらに、「私たちの捜査は続いていますし、軍や警察の応援も得ています」と話している。
(翻訳協力 石塚信子)

【JTEFのコメント】
 サイの密猟ニュースが続いています。サイの角はアジアでは解熱剤などの漢方薬や催淫薬、中東では短剣の束への需要が多いのです。角は切ってもまた生えてはくるのでサイを守るためにわざと切り取るニュースが別のニュースにあったばかりです。村人はわずかなお金で雇われ、密猟組織には莫大なお金が入ります。

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