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イリオモテヤマネコとの共存に向け、生息地保全に向けた調査報告書を竹富町長に提出しました

 国指定特別天然記念物であるイリオモテヤマネコは、深刻な絶滅の危機にさらされています。昨年の交通事故死の増大、近年の観光客集中による生活妨害の危険なども重大な懸念事項となっています。しかし、もっとも根元的な脅威は、ヤマネコの暮らし場所である生息地の破壊といえます。

 1月24日、人間活動とヤマネコの暮らしの共存をはかりヤマネコの生息地破壊を未然に防止する目的で、土地利用においてヤマネコの生息に配慮すべき事項を専門家がとりまとめた「第1次イリオモテヤマネコ生息地保全調査 報告書」を公表し、竹富町長に提出しました。同日、竹富町役場の町長室で記者発表も行いました。

報告書を渡しました

◆琉球朝日放送で放送されたニュースはこちら

 西表島では近年だけでも大規模な土地取引がいくつか行われており(船浮地区、崎山地区2カ所、ホネラ高那地区)、将来リゾート開発用地とされることが懸念されています。また、県営土地改良事業契約が2件検討されています(西表地区、ヨナラ原地区)。

西表島低地部の地区区分

 土地利用に当たって避けるべきこと、影響緩和のためになすべきこと等、科学的知見に基づく配慮事項を、関係機関が可能な限り早期に実施すること。これが、コストやトラブルを最小化し、より合理的に、人間活動とヤマネコの共存をはかる方法です。

○イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会(委員長:土肥昭夫 元長崎大学教授)
 イリオモテヤマネコの専門家からなる「イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会」(委員長:土肥昭夫 元長崎大学教授)は、2009年6月に発足しました。発足以来、人間の土地利用とイリオモテヤマネコの生息との衝突が問題になりやすい「低地部」(ほぼ標高200メートル以下の土地)において、人間とヤマネコが共存できるような土地利用のあり方を実現するための配慮事項を明らかにするための科学的調査・分析を行っています。「第1次イリオモテヤマネコ生息地保全調査 報告書」はその結果をとりまとめたものです。

 この調査のために必要なデータ収集にあたっては、環境省那覇自然環境事務所、同西表野生生物保護センター、沖縄森林管理署、沖縄総合事務局、沖縄県八重山農林水産振興センター、および竹富町のご協力を得ています。

第一次イリオモテヤマネコ生息地保全調査報告書(PDF)
記者発表資料(PDF)


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