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ゾウの通り道にあったラム・テラン村、自主的に村ごと移転

JTEFがインドの協働パートナーWTIと共に進めている北東インド、アソム州カルビアングロン自治区のゾウ保全プロジェクトで、大きな進展がありました!

ゾウの通り道に7年前に移転してきて田畑を作っているラム・テラン村の住民は、ゾウとのトラブルが絶えませんでした。もともとこの村は焼畑農業で生計を立てていましたが、人口増加や定住する農家が増えてきて、自由に土地を渡り歩くことが難しくなってきました。そこで、定住して田んぼを作り出したのですが、もともとゾウの通り道だった場所に焼畑農業による陸稲(おかぼ)や、その他の作物を作ったので、ゾウとのトラブルが頻発していました。稲をゾウに食べられてしまったり、ゾウとの出会いがしらの事故で命を落とした村人もいます。
そこで、ゾウにとっても村人にとっても幸せに暮らせる方法として、数年前から村ごと移住することをWTIは提案していました。はじめは戸惑っていた村人たちも何度も村民会議を開き、定住してある程度の農業生産が確保できる土地を提供されるのであれば、村を移動したいという結論を出しました。

WTIは移住先の土地探しをし、6エーカーを超える土地を買い、カルビの伝統をつなげるモデル村としてラム・テランの全村人の移住を行います。その後18所帯は追加の農地を受け取り、ゾウの通るコリドーへの負荷は最小限に抑えられることになります。移転先はゾウのコリドーへの負担を減らす目的でこのコミュニティープロジェクトを始めたサル・クロ村の近くです。
5月24日に25世帯からなるサル・クロ村自治会会長とWTIで土地売買の契約を結びました。
この村の移転により、殺されるゾウも減るのはもちろん、ゾウがいることで素晴らしい多様性が保たれている地域として存続する限り、観光で村人が潤うことも考えられます。
昨年、カルビアングロン自治区を視察して、またカルビ族の人々とも交流して、この地は地球上から失われつつある素晴らしい景観と、自然に対する謙虚な心、畏敬の念をもつ人々の素朴さに心打たれました。
ゾウもそこに暮らす人々も、ともに幸せになれる1つのプロジェクトが始まりつつあります。皆さまからのご寄附がこのような活動に使われていることを胸を張ってご報告したいと思います。
WTIのホームページでの記事はこちら



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