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イリオモテヤマネコのニュース & JTEFのコメント

定住メスの減少に歯止めかかる

八重山毎日新聞、2011年02月27日

2月26日に開かれたイリオモテヤマネコ保護増殖分科会で、ヤマネコ保護のための各種施策の実施状況が報告された。

生息状況モニタリング調査の報告では、2008年以降、減少が続いていた定住メスの状況は歯止めがかかったと報告された。しかし、交通事故発生と死亡確認件数が過去最多の12件になり、増加傾向にはなっていない。

モニタリング調査は、目撃情報の収集と自動撮影調査の結果をもとに作成されている。その中で、放浪個体の増加や、特定個体の路上出現が報告されている。また、死亡個体に若いヤマネコが増え、生息環境が悪化しているのではないかと懸念されている。

土肥昭夫座長は「ネコだけでなく、いろんな生き物への影響も懸念されているので、生息環境のしっかりとした調査を検討してほしい」と述べた。

【JTEFのコメント 2011年3月31日】
「イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会」およびJTEFとして、坂元もこの分科会を傍聴しました。
イリオモテヤマネコの研究者であり、環境省の自然保護専門員である岡村麻生さんからは、2010年は放浪個体の出現、死亡が多く、一時滞在場所の減少が原因となっている可能性があるとの考察も報告されました。その背景には、既に行なわれた農地開発や台風の影響で西表島の環境が悪化しており、弱い個体がはじき出されている可能性があるかもしれないとの指摘もありました。
仮にその通りだとすると、これ以上イリオモテヤマネコの生息地にダメージを与える開発は避ける必要はますます高いといえます。調査委員会/JTEFは、分科会で発言時間をもらい、パワーポイントを使って現在計画中の農地開発(土地改良事業)におけるヤマネコ生息地への配慮を分科会参加者に訴えました。

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