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レストランの強制捜査でトラの部位を押収

TRAFFICイーストアジア、2011年3月16日

クアラルンプール、マレーシア ———当局は、トラの乾燥部位数個を含め、保護動物の肉や部位を所持していたレストランのオーナーを検挙した。このオーナーには、60万マレーシア・リンギット(約1648万円、2011年4月4日現在)の罰金と懲役が課せられる可能性がある。

マレーシア半島東岸にあるパハン州の野生生物国立公園局の職員たちは、昨日(3月15日)この男の家宅と店舗を強制捜査した際に、17kg近くのホエジカの肉、皮を剥がれたマメジカ2頭、キジの羽54枚、それにシロハラクイナ1羽を発見した。

トラの乾燥部位は、ほかの動物の乾燥部位とともに密閉されたガラス容器に入れられていた。これは科学捜査研究所での分析に回される。

この容疑者の住むムラポーのクバン・ルサ村はマレーシアで最も重要なトラが渡り廊下のように使っているコリドー内にあるため、トラの部位を所持している人物が見つかったことには重大な意味があると、パハン・パーヒリタン公園長カイリア・モフド・シャリフ氏は述べた。

このコリドー、スンガイ・ユは、マレーシアの国内トラ行動計画によれば、マレーシアの中でも重要なトラ生息地であるタマン・ネガラ国立公園と主な生息域を結ぶためになくてはならない回廊である。

この容疑者が検挙されるのは2回目であり、2008年にも無許可でホエジカ肉を所持していたかどで有罪判決を受けている。今回も無許可でトラの部位とキジの羽を持っていたことにより、野生生物保護法2010の第68条に基づき、二重の罪に問われる可能性がある。またこの法では、トラなど厳重に保護された一部の種の違法所持に対しては懲役刑が必須となっている。

容疑者はそのほかに、保護動物であるシロハラクイナや外来肉を許可なく所有していたことにより、同法の第60条に基づいてさらに3つの罪に問われる。容疑者は、審理が開始されるまでの間保釈されている。

今月行われた他の2つの作戦で、パーヒリタン・パハンはトリアンの町にある2軒の家からイノシシの肉を押収した。無許可で肉を所有していたかどで地元の男2人と女1人が告発されることになっている。また、2月初めには、ジャンダ・バイクの町に住む男からキバタン1羽とサトウチョウ2羽が押収された。

いずれの容疑者も、昨年12月に施行された新しい法のもとで重い罰金が課される。

今年これまでのパーヒリタン・パハンの活動としては、州の狩猟法違反者から自作銃1丁を含む4丁の銃を押収している。

カイリアは、武器が悪用されて違法な狩りが行われていることに対する懸念を表明し、ある記者会見で、公園局は躊躇することなく新たな法に裏付けられた力を行使し、このような状況では銃を押収し、警察に届け出て違反者の銃所持許可証を取り消させるだろうと述べた。

「このような野生生物取引業者がいるために、密猟天国だの取引拠点だのといった汚名がマレーシアに着せられているのです。これらの犯罪者たちは、近年ますます生息数を減らしている種の保全に対する重大な脅威となっています」と、TRAFFIC東南アジア事務局長代理、クリス・R・シェファード氏は述べた。

「当局は行動を起こしたことで称賛されるべきです。特にここのような、重要なトラ生息地においては。TRAFFICでは、この男や他の犯罪者を、法が許す限り最大限の刑に処するよう当局に要請しています。今後この種の犯罪を防ぎ、マレーシアの自然遺産を守るためにどれほど当局が真剣であるかを示すためには、それが必要なのです」と、彼は語った。
(翻訳協力 木田直子)

【JTEFのコメント】2011年4月
マレーシアでは観光客向けにトラ肉が出されることもあり、大問題になっています。この容疑者はレストランのオーナーであり、トラにとって重要な地域に居住しているということで、この男が厳しく処罰されることは一罰百戒となることは間違いありません。 JTEF専門家アドバイザーの川西加恵博士がトラ個体数を倍加する活動をしている地域がまさにここです。


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