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トラのニュース & JTEFのコメント

危機に瀕しているトラを保護するよう指示を出す国際刑事警察機構インターポール

フランス通信社、2011年11月2日

 インターポールは2日、トラの密猟者との世界規模の戦いに向けた新たな活動を開始した。この絶滅の危機に瀕しているネコ科動物の保護に失敗すれば、経済や社会にも影響を及ぼしかねない、とインターポールは警告している。
 インターポール環境犯罪プログラムの責任者であるデビッド・ヒギンスDavid Higgins氏は、トラの絶滅は生物多様性だけでなく、現在トラが生息している国々の経済や治安の安定にも影響を及ぼすだろうとしている。

 「地域社会の人々や、国民は、自国の政府やその国の統治能力、トラのように象徴的な動物を犯罪から守るはずの法の支配に自信を失うことになります。」とベトナムで同氏は述べた。
 インターポールの新しい肉食動物保護作戦は、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、ロシア、タイ、ベトナムの警察、税関、野生生物当局者の取り組みを統合させるために作られた。「トラの部位や製品の違法取引や密売は国境を越えて蔓延しています。そのため法の支配がなかなか及ばないのです。」とハノイで開かれた毎年行われる全体会議で出された声明でインターポールが述べた。
 肉食動物保護作戦は、アメリカ、イギリス、世界銀行の財政的支援を受けていて、認識を高めるために環境保全機関とも情報を共有する予定だ。ヒギンス氏によると、法による規制はそれだけが唯一の策という訳ではなく、より高度な教育や貧困の削減も必要だということだ。

 トラの個体数は、前世紀に行われた密猟や生息地の減少で壊滅的に減っている。1900年にはおよそ100,000と思われたものが、現在は3,500頭に減少している、とインターポールは言う。この大型ネコ科動物は、毛皮、骨、その他の部位が目的で狩られ、このまま保護されずにいれば2022年には全滅すると予測されている、と野生生物保護団体のWWFは述べる。
 ベトナムの環境犯罪局副局長である、Vu Hong Vuong少将は、ベトナムにトラは110頭以上いたが、そのうちの80頭は飼育下にいる、とレポーターに伝えた。
 「我々はタイからラオス、ミャンマーを通りベトナム、そして中国まで運ぶトラ密猟の事案を何件か発見しました。野生動物、特にトラを保護するためには、他国の警察の協力が必要なのです。」と少将は言う。 
(翻訳協力 柳川さやか)

【JTEFのコメント 2012年2月】
 自然災害は人間が完全に予防できるわけではありませんが、生息地破壊と密猟はその気になればかなり野生動物たちへ影響を減少させることが出来るはずです。国境を越えてのブラックマーケットがあちこちに存在するインドシナの国々へ、鋭いメスを入れてもらいたいものです。


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