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ゾウのニュース & JTEFのコメント

タイの寺院でゾウ3頭が虐殺され食肉として売られる

The Nation/Asia News Network タイ、2011年01月07日

 マハーサーラカームの寺院でゾウ3頭の死骸が解体され、その肉、頭蓋骨、牙が2,000,000バーツ($85,619)(\5,438,011 2011年2月20日現在のレート)で売りに出された。この報告を受けたゾウの保護主義者たちは昨日、残りのゾウを救助し観光事業が打撃を受ける前に何か手を打つようタイ政府に求めた。

 世界中のゾウ保護主義者はこの件を憂慮しており、同寺院の動物に対する扱い方に疑問を呈し、タイ国はゾウに対し非常に残忍だと強調している、とタイの保護主義者でありタイムズ紙のアジアのヒーロー2005年に選ばれたサシェン・チャイラート(Sangduen Chailer))は述べた。

 政府は寺院の残り7頭のゾウを保護すべきと同氏は主張する。ゾウ保護財団法人の理事長によると、これらのゾウたちは深刻な栄養不良に苦しんでいて、治療を施さなければ死に至る危険性があるとのことだ。Sangduenは、この事件をきっかけにタイ政府はゾウの保護法を通過させるべきとした。ゾウはタイのシンボルであるのに、保護されなければ絶滅する恐れがあると述べる。

 ある情報源によると、同寺院はゾウ10頭を購入した。うちプーケットから2頭、パンガーから2頭、メーホンソンからは2頭買っている。スリン県タートゥーム郡のゾウ村経営者であるクリッタポル・サランガム(Krittapol Salangam)は、ゾウ2頭が2カ月前に郡内のバーンボーン村からマハーサーラカームにある寺院に売られたといっている。その中の一頭は牙をもつ獰猛な13歳のゾウで、寺院がゾウをほしがる理由がわからなかったと付け加えた。彼の村ではゾウが寺院に買われることはないという。

 タイは今でも象牙の違法取引の中継点であり、タイ税関は日常的に象牙を押収し、密輸者を逮捕している。

 税関局長、プラソン・プーンサネット(Prasong Poonthanet)は昨日モザンビークから密輸された象牙10,000,000バーツ分(\27,190,054 2011年2月20日現在のレート)を押収したと報告した。乗り継ぎ時にタイ航空機の積み荷を検査していた税関員が、ラオス行きの個人の所持品として申告されていた大型のケース2箱の中に象牙73点を発見した。
(翻訳協力 柳川さやか)

【JTEFのコメント 2011年2月】
 ワシントン条約第16回締約国会議(COP16)が2013年にバンコクで予定されています。実は、2004年にもバンコクでCOP13が開かれており、同じ国が2回目のホストというのは初、同じ地域が連続というのも初(前回は西アジアのカタール)です。タイがCOPのホストを務めることに熱心なのは確かですが、それを機に野生生物違法取引の撲滅へ向けて毅然とした態度が行動で示されることが重要です。バンコク国際空港は、野生生物違法取引の「ハブ空港」となっているのが現状です。日本人の違法ブローカーもタイのルートをうまく利用しており、タイだけの責任ではもちろんありませんが、ホストの名乗りにはそれだけの決意が伴っていると期待したいと思います。


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