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ゾウのニュース & JTEFのコメント

象牙と狩猟の獲物の肉をレンジャーが押収したとき、3人を逮捕

レンソン・ニャムウェチおよびアントニー・ギトンガ記、2011年01月10日

 KWS(ケニア野生生物公社)の職員が、ツァボ国立公園付近の牧場で、10本の象牙を奪回した。狩猟の大きな獲物は、ツァボ・イースト国立公園との境界にあるタイタ牧場で殺された5頭のゾウからのものである。KWSの面々は、象牙は、輸出目的でモンバサに運ばれた模様であると語った。ツァボ・イーストで上級自然保護官を務めるジェイソン・レシミルダーナは、密猟者たちが、こちらを見かけると発砲してきたと告げた。

 この事件は、ツァボ・ウエスト国立公園近くのクレンツェで、KWSのレンジャーが5人の密猟容疑者を逮捕し、狩猟された肉を奪回した、ほんの1カ月後のことであった。上級自然保護官は、象牙の奪回後、KWSは警戒を強めているとスタンダードメディアに語った。密猟に対する警戒が強められているので、2日前に、KWSは、250万シリングは下らない8本の象牙を東部州で奪回した。

 ナイバシャでは、シマウマの肉を持っていた2人の密猟容疑者がKWS の人員によって逮捕された。2人は、違法と全く疑っていない一般市民に肉を売っていたということである。ヘルズ・ゲート国立公園で監視人をしているネリー・パルメリスは、この2カ月間で、狩猟した肉を保持した何十人もの密猟容疑者が逮捕されていると語った。

 レンジャーたちは、野生生物たちをツァボで殺しその肉を近くの町で売りさばいていたシンジケートも撃破した。KWSの部隊が別の密猟容疑者を逮捕し、40万シリングの価値があるディクディク(非常に小型のレイヨウ類)40頭以上を押収した。さらに、狩猟された肉を運搬するのに使われたオートバイも奪回した。

 KWSのスタッフたちは、野生生物の中には、密猟がはびこっているために、絶滅の危機に瀕しているものあると懸念を示している。電話で話しながら、レシミルダーナ氏は、「牧場では、密猟が横行しているが、幸いにも生態系の中では行われていない。密猟容疑者たちは、販売目的の品物をオートバイでマリンディまで運んでいた」と語った。
(翻訳協力 石塚信子)

【JTEFのコメント 2011年2月】
 JTEFの「アフリカゾウ密猟防止プロジェクト」の現地パートナー、ビル・クラークさん(ケニア野生生物公社・名誉自然保護官)から次のコメントをいただきました。
「1つ目の記事は、1月9日にメルー市付近で押収された4分の1トンの象牙に関するKWS(ケニア野生生物公社)のコメントが載せられています。象牙は比較的幅が狭いもので、密猟者に殺されたのはおもにメスであったことを物語っています。この記事では、他の野生生物の不法取引にも触れており、密猟の道具とともに、コロブス(サルの仲間)とボンゴ(最大の森林性アンテロープ)の肉も押収されたと報告しています。
 2番目の記事でも、さらに、他の押収物について知らせています。(おそらく不正輸出だと思います)もっと小さい10本の象牙についてですが、マリンディに輸送しようとしていた当事者たちから、ツァボ・イースト付近で押収されました。最近の象牙の押収の多発は、増大している密漁とこの犯罪を抑制しようとするKWSの努力が強化されていることを反映しています。
 報告書はまた、野生生物の肉(不法に取引される野生動物の肉)に関する問題が増大傾向にあることも強調しています。KWSは、やむにやまれず、DNAの犯罪科学的な分析を行う研究所を必要としています。これらの密売人たちを起訴するために、裁判所が認めることのできる証拠を提供できるようにするためです。アフリカの茂みの中では、日々、辛い闘いが進行中です。」 (翻訳協力:石塚信子)


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