世界のニュース

ゾウのニュース & JTEFのコメント

ケニア野生生物公社(KWS)は500名のレンジャーを募集します

公告日、2011年01月17日

 採用選考会を2011年1月17日から29日に実施し、ナイロビ県のシティー・スタジアムおよびナロク県のナロク・スタジアムにおいて午前8時に開始します。トゥルカナ県、マルサビット県、カジアド県において2011年1月29日に終了します。新人採用チームは午後2時にキアンブ県のキリギティ・スタジアムおよびボメット県のボメット・スタジアムに行きます。その他、具体的な新人募集要件の詳細、日時、県別の会場については、すべての県庁舎、KWSの管理する公園や保護区および全国の駅の公告掲示板に掲示されています。

 新人採用に当たって透明性と公正性を期するため、KWSは選考会の立会人として一般国民、政府系機関、NGOを招聘しています。

 新レンジャーは、公園勤務や警備活動の現場への配属に先立ち、KWSのマニャニ・トレーニングセンター(Manyani Field Training School)において6ヶ月間の準軍事的な強化訓練を受けることになっています。

 マニャニ・トレーニングセンターのカリキュラムは、21世紀の自然保全という新たな課題に対応すべく見直され拡充されています。トレーニングの目的は、所定の技能だけでなく、義務を果たし勇気や誠実さを貫くという価値観を教え込むことによって、レンジャーに難しい職務への心構えを前もってしてもらうことです。この訓練は、現在進行中の部隊近代化計画を推進し、 特に野生生物関連法の執行や野生生物管理における現代テクノロジーの利用を促進する改革努力の一環です。

 新憲法には野生生物保全や人権保障の規定があるため、レンジャーの採用も新憲法の規定に従って行われます。マニャニ・トレーニングセンターはまた、ここを野生生物関連の法執行の訓練に秀でた地域拠点にするという計画に沿って改修されてきました。主に訓練設備や施設などのインフラに多額の投資がなされています。

 前回の400名のレンジャー募集は4年前の2006年12月に実施され、彼らは2007年7月に訓練を終えています。今回の募集は、退職や自然減によるスタッフ不足に対処し、人と野生動物の衝突、密猟、野生生物製品の不法取引などの新たな課題に取り組むためのものです。

 ケニア野生生物公社はケニア全土において、野生生物の保全、保護、管理という負託に大いに応えてきました。しかし、人と野生動物の衝突、生息地の破壊、密猟などがKWSの活動が直面する大きな問題になっています。これらの問題には、土地の利用形態の変化や不法な野生生物製品に対する需要、気候変動の悪影響などが原因であるものもあります。

 KWSは保全活動のパートナーとしてその重要性を強調するために、2011年をコミュニティー年と宣言しました。KWSはコミュニティー・プロジェクトのための資金を蓄えることにしており、既に、野生生物に根ざしたコミュニティーのベンチャー企業を支援するために事業部を設立しています。
(翻訳協力 松崎由美子)

【JTEFのコメント 2011年2月】
 JTEFの「アフリカゾウ密猟防止プロジェクト」の現地パートナー、ビル・クラークさん(ケニア野生生物公社・名誉自然保護官)から次のコメントをいただきました。
 「上記の文書は、KWSが500名の新人レンジャーを募集するという本日付の公告です。これは、密猟を阻止しようとするケニアの取組みに「実働部隊」を増員する有難い措置です。
 しかし同時に、新たに500名のレンジャーが必要だという悲しい発表でもあるのです。
 統計によると、20年勤続の場合、この新人レンジャーの5パーセントに当たる25名が職務中に殺害される危険があるということです。それだけでなく、多くの隊員が重症を負ったり負傷したりしています。これが、自然を保護するために支払わされている人的代償の一部なのです。
 また、悲しいことに、極東の先進諸国を筆頭に一部アメリカやヨーロッパも含めた国際市場に供給しようと、最も攻撃的で破壊的な密猟者たちが密猟を続けています。先進諸国の消費者の購買力が引き起こす金銭欲のためにケニア人の生命が危険に曝されているのです。不当なことです。」(翻訳協力 松崎由美子)

現地パートナーリンク集リンクのお願いお問い合わせ個人情報保護方針