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ケニア発:ナロクで密猟者2人が射殺される

キプラン・アット・キルイ、2012年7月9日

7月8日、ナロク(注:ケニアの首都ナイロビから、観光で有名なマサイ・マラ国立保護区へ向かう途上にある町)北部地区において、ケニア野生生物公社(KWS)の職員により、密猟の容疑者2人が死亡した。 KWSナロク支部の上級保護官べナルド・コルタ氏によれば、密猟者は武装パトロール隊員との射撃戦の後に殺害され、森の洞窟で暮らしていた密猟者から、AK47ライフル錠や弾丸65個、それに斧を取り戻したということである。

コルタ氏によれば、武装パトロール隊員は、KWSの職員から「密猟者がゾウを殺害している。」との内報を受け、それをもとにパトロールをしている最中であったということである。1人は現場で殺害され、もう1人は逃げたが、職員が森を徹底的に捜査して銃殺したということである。コルタ氏によれば、牛飼いが密猟者を数回目撃しており、当局者にその様子を報告したとのことである。

KWSの職員は前方を走っていた密猟者4人を追跡していたと述べた。最近2ヶ月間にその地域でゾウが3頭殺害されていたが、現地の人の協力で野生生物犯罪との闘争で勝利できたと感謝した。 KWS委員長のデビッド・ムウィラリア氏David Mwirariaは、国立公園で密猟者と闘うために精巧な銃をすぐに手に入れるつもりだと述べた。「密猟は、今や野生生物の生存にとり深刻な脅威になっている。もし阻止しなければ、何十億もの観光産業がだいなしになってしまう。われわれは、ナショナルパークにはびこっている密猟をやめさせるために、高度な銃や乗り物等の装置を購入するつもりである。」とムウィラリア氏は述べた。

ムウィラリア氏は、密猟行為が増加するのは、外国における象牙や野生生物の製品の高い需要のせいに違いないと述べた。絶滅危惧種担当のKWSの上級副職員のパトリック・オモンディ氏は、違法行為をやめさせるためには、施行中の刑罰を見直す必要があると要請し、犯罪者は高い罰金を支払うか、それとも罰金の選択の余地をなくして刑期を全うすべきであると述べた。

オモンディ氏は、犯罪者が野生生物の種を劇的に減少させておきながら、まだなお自由を享受し続けているのを見て、困ったことだと述べた。「犯罪者は、500万シリング以上の罰金を支払うか、それとも罰金の選択の余地なしに5年の刑に服すべきである。最近の刑罰は弱いために、密猟を助長している。」オモンディ氏は述べた。シアナ野生生物信託基金の委員長サミー・コイトイ氏は、その地域の観光産業をだいなしにする可能性のある密猟をやめさせるために、ナロク県議会、ケニア野生生物公社、マサイ・マラ警察間の協調した努力が必要であると要請した。

同氏は、マサイ・マラ公園のゾウやサイの頭数を減少させた1980年代の密猟は、徐々に復帰しつつあると述べた。 コイトイ氏は、マラ・セレンゲティ地帯における象牙の密猟が、最近国境沿いに増加していると述べた。同氏は、連動して動物の頭数を減少させている密猟を制限するため、迅速かつ決定的な手段を取る必要があると述べた。
【翻訳協力】日原直子

 
【JTEFのコメント 7月】

JTEFのパートナー、ビル・クラーク氏の計算では、密輸業者による象牙の小売りは年間最低でも13億ドルになるということです。業者の動機はそこにあるのです。それゆえ人は、密猟や密輸、暴力犯罪、それにこの卑劣な取引に結び付いた多くの他の犯罪に引き付けられています。
ケニアは自然に生きている野生動物を観光客に楽しんでもらう観光資源としてきた国です。南部アフリカのように象牙を売ることに積極的に動いている国ではありません。ケニアのような国があるからこそ、地球上で豊かな自然環境が守られているのです。象牙で儲けることばかりに目の色を変えている人たち。中心人物を捕えなければ。


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