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ケララ(Kerala)森林局、5億ルピー分の象牙を焼却

The Asian Age紙 2013年7月28日

南インドケララ州森林局が20年間蓄積されている在庫象牙の焼却処分を計画している。24時間セキュリティもない所での保管は盗まれる可能性もあり、現に2002年には金庫から盗まれた象牙が押収された。

ティルヴァナンタプラム(Thiruvananthapuram):森林局は在庫として抱えている膨大な象牙の焼却処分を計画している。重さにして3トン以上、闇市場で5億ルピー(7億8700万円、1ルピー=1.57円 2013年8月8日現在)近い価格になると見積もられる。

森林局の押収品は局内の金庫室や各地の森林局事務所に保管されているが、20年以上にわたって蓄積されてきた。象牙の取引は、1972年野生生物保護法の改正により1991年に禁止されている。

取引が禁止されたことにより法的には象牙は無価値になったため、森林局は山積みになった石の上に座り込んでいるようなものだ。「この象牙には使い道がありません。80年代にやっていたようにオークションで象牙彫刻師に売るわけにもいかないし、自分たちでどうにかするわけにもいきません。だから、大事に保管しておいても意味がないんです」と、森林主席保護官にして野生生物管理局長のヴァリイル・ゴピナス氏は言う。

また、これらの象牙の一部が横流しされ、違法取引の供給源となる恐れもある。 たとえば2002年には、パラカッドのオラヴァコーデにある森林局の金庫室から盗まれた野生生物関連の物品の捜査を行っていたCBIの刑事が、容疑者の自宅から象牙で作られた2点の偶像を押収した。

多くの森林局事務所には、金庫室も、24時間体制のセキュリティもない。象牙は世界中でたいへん人気があり、闇市場では1キロに10万ルピー(15万8千円)以上の値がつくこともある。
【翻訳協力】木田直子

 
【JTEFのコメント 2013年9月】

象牙やトラの毛皮のような商業価値のあるものは売却しそのお金を野生動物保護の費用に当てたらよいという考え方をする人も多くいます。が、流通させることで購買意欲に繋がり、新たな価値を持たせ、密猟、密売に結びついてしまうおそれがあります。今回のケララの森林局の判断は、ゾウの保護を考えるうえで非常に重要な判断だと思います。


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