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トラのニュース & JTEFのコメント

パンナのトラ殺害、州議員の親族と関係。大臣が非難

デイリー・ニュース・エージェンシー(DNA)、2011年07月07日

森林局は最近、インド中央情報局(CBI)に調査を依頼することを求め、内務省に、20件を上回るパンナでのトラの死に関係する事件の詳細を提出した。政府はそのうち3件のみが個別の調査に値するとして取り上げた。

これらのうちの1件は、ブンデルカンド地方のインド人民党の衆議員の近親者に結びつく。

インド中央情報局にトラの死の調査を要求している環境活動グループのPrayatnaによると、森林局はウッタル・プラデッシュのナンバープレート(UP92/9434)をつけたジープを2007年に押収している。ジープはパンナ・トラ保護区に、武装団と力ずくで入ろうとしたと言われている。ジープはその後、ブンデルカンド地方のインド人民党の衆議員の近親者である、バブ・シンに返されたと、情報源は述べている。

当局は、第一報犯罪報告(POR)355/2007として申し立てられたと述べている。明らかに、この件に対しての追跡は何年もなされなかった。CBIに取り調べるように提出されたほかのトラの死に関する2件もまた、政府の慢性的な怠慢をさらしている。

これらのうち1件では、森林局は、パンナ地方のスクワ村の村民のカリヤン・シンによって通報されたトラバサミ(罠)とトラの骨を回収した。そのトラは2004年から2005年の間に殺され、体の部分は警察によって押収されたと報告されているが、主要事件報告(POR)は今年の1月28日になるまで登録されなかった。

問い合わせに対し、ある高官は、森林局はこれらの件について、保護区長に情報を求めたと述べた。本部には一切の情報は提供されなかったのだ。

政府によって取り上げられた3件目は、実際には当局はトラの死に対して主要事件報告をまったく作成していないことが明らかになった。この件のトラは2004年から2005年の間に殺された。しかしながら森林局は主要事件報告を作成しなかった。

彼らの怠慢は、パンナでのトラの死に対処する職員の考え方に対する深刻な問題を提起した。Prayatnaのアジェイ・デュベイは、森林局は、さらに深刻で明確な証拠もある事件を見逃していると主張した。「興味深いのは、これらは明らかに密猟であるのに、(被害を受けたことに対する)捕殺として記録されていることだ。」とデュベイは述べた。

NGOの主張に対応して、森林局のサルタジ・シン大臣は当社に対し、オス、メスの数の不均衡と強盗団「Thokia」のせいで、パンナ・トラ保護区のトラが減少したと述べた。大臣はさらに、「保護区に強盗団がいるために、レンジャーがトラを守ることができなかった」と釈明した。
(翻訳協力 瀧口聡子)

【JTEFのコメント】

人口が多いインドではトラの生息地と隣接して村があります。家畜をトラに殺されることもあり、その報復としてトラが毒殺されるニュースも多いです。しかし、このニュースにもあるように、毛皮や骨の取引のための密猟を村人とのトラブルの末、殺されたと見せかけることもあります。これを避けるためには常時パトロールをして簡単に密猟できない状況にしておくことです。各保護官や政府の役人のトラ保護に対する意識のあり方によって、絶滅寸前のトラの将来が決まるといっても過言ではありません。


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