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現在も大きな脅威であり続けるゴリラの密猟(コンゴ)手のひらサイズが6ドルで売買されるゴリラの肉

Wildlife Extra、2011年03月10日

2011年3月:最新の調査によると、コンゴ民主共和国におけるゴリラの密猟は現在でも盛んだということだ。つい最近では11月にンディンガ村でメスのゴリラが殺された。ゴリラの肉も相変わらずコンゴの第二の都市、ポワントノワールの市場で売られている。

2010年12月から2011年2月まで、NGO国際絶滅危惧種ESI(Endangered Species International)はコンゴ民主共和国のコウリウ地方にあるロアカとボンゴロ間の深い森林を現地探検し、ニシローランドゴリラの生き残りを探した。現地では今も野生動物を食用肉として売買していて、ゴリラの存続にとって一番の脅威となっている。ESIチームは、環境保全プログラムも町の至るところで行っている。

この現地調査で、ESIは以前に確認されていなかったゴリラの集団を発見し、追跡した。このゴリラ集団はひどく人間を恐れていて、近づくのはかなり困難だった。つまり狩りが頻繁に行われているせいで緊張が高いのだ。

このゴリラ集団はマランタセアMarantaceaeの、沼地だらけの森で見つかったため、近づいて追跡するのは難しかった。ESIはおよそ20メートル離れた、植生が密な地点から観察した。最近作りたてのねぐらが7つ見つかった。ゴリラは毎晩葉と枝でねぐらを作っているのだ。

エボラ出血熱と森林破壊も懸念材料である。
ロアカとボンゴロの間でゴリラが見つかったのは喜ばしいことだが、それ以上の数のゴリラが毎年この地区の外に追いやられ、絶滅の危機にさらされる恐れもあり、喜んでばかりもいられない。他にも森林破壊やエボラなどの伝染病も脅威となっている。

2009年の8月にESIは、ニシローランドゴリラがコンゴ共和国のコウリウ地方で食肉として売られていたと報告した。ゴリラの肉は前もって切断され燻された手のひらサイズのものが6ドルほどで売買される。肉の出所を探索し続けると、2頭のゴリラがほんの1週間前に殺されていたことが分かった。今に至るまでゴリラの肉は売買されている。残りのゴリラを守るのにすぐにでも必要なのは、地元の環境と生活領域を保護するための精力的な活動である。
(翻訳協力 柳川さやか)

【JTEFのコメント】
ゴリラは今絶滅の危機にあります。このニュースのように村人が日常的にゴリラを食べ、内戦時には森に立てこもった兵士たちがゴリラを食糧として戦ったため多くのゴリラが殺されました。ここ数年はコンゴに埋蔵している携帯電話に使用される希少鉱物のコロンバイトータンタライト(コルタン、タンタル)を採掘しに、武装集団がゴリラの棲みかに入っていることが大問題になっています。ゴリラを食用にしながら1-2か月滞在し採掘するため、ゴリラも森も失われてしまっています。 ゴリラの減少は地元の問題だけではなく、日本のような文明国が多いに関わっているのです。
今、タンタルを採掘しなくても良いように、古い携帯電話の回収を徹底しようという活動が始まっています。人間が、より便利な生活を望めば、それに比例してゴリラたち野生動物が苦しんでいきます。同じ地球上の仲間として、自分だけのことを考えるのでいいのでしょうか。ゴリラの森で起こっていることを、多くの人に知ってもらいたいと思います。


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