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マハラシュトラ州首相、野生動物の密輸品を焼き捨てる

IANS(インド・エージャン・ニュースサービス) 2013年07月29日

野生生物保全へリーダーシップを発揮しているインドならではの選択、押収した野生動物の密輸品を焼き捨てたインド・マハラシュトラ州。

ムンバイ:マハラシュトラ州首相P・チャバン氏は Save the Tiger計画の新しい世界的キャンペーンの一環として、火曜日に野生動物の密輸品を焼き捨てボンファイアを行うというインド初の取り組みを月曜日に発表した。

チャバン首相ほか、環境森林大臣パタングラオ・カダム氏、森林担当国務大臣(Ministry of State for Forestry)U・サマント氏は、野生動物の密輸品を焼き捨てる公式なボンファイアを指揮する。密輸品の中には野生動物マフィアや国際市場で高価で取引されるトラ皮、ヒョウ皮や象牙も含まれている。

この行事はSave -the-Tigerキャンペーンの新しい世界規模の企画、”Leave Me Alone” が立ち上げられる7月29日の翌日に実施される。”Leave Me Alone”は、サンクチュアリーアジア、フェイスブック上で2700万人の支持者をもつタイガーコンサベーション、ムンバイプレスクラブ、マハラシュトラ州野生動物森林省の合同プロジェクトである。

これらの組織は、毎年恒例のグローバル・タイガー・デイ7月29日にインドを象徴する動物を救うために教育活動、啓蒙活動、自然保護活動に協力を誓った。

トラはインドの国家的動物であり、生態学上非常に重要である。蔓延している密猟や生息地の広範な破壊により急激に減少している。

1900年には10万頭いたインドの野生のトラは、現在1800頭に減ってしまったとジャーナリストでボンファイアのコーディネーターの一人であるM・ボーズ氏は述べる。

野生動物の密輸品の焼き捨てボンファイアを通して、チャバン氏、カダム氏、サワント氏、サンクチュアリアジアのB・サーガル氏、Save -the-TigerのR・クリシュナニ氏その他多くのトラ愛好家によって「マハラシュトラは密輸を許さない」という声明が出される。

不法な野生動物取引は、国際的な麻薬や銃取引に関連していると思われており、マハラシュトラ州や他の州におけるトラの密輸増加の主な原因である。違法取引の国際的増加に歯止めをかける政策がチャバン氏から発表される予定である。

ボーズ氏によると、”Leave Me Alone” キャンペーンは、トラを守り、それが森林と守ることにつながり、環境に莫大な影響を与えることになるという趣旨に賛同するインド内およびグローバルにわたる大規模な支持者を動員していくことをめざしている。
【翻訳協力】石原洋子

【JTEFのコメント 2013年9月】

商業価値が高い野生生物の密輸品を焼き捨てるインド政府の姿勢に共感を持ちます。押収したものを販売することは、違法性を帯びたものを正規に流通させることで、それをあてにしたビジネスを助長しモラル・ハザードを引き起こします。しかし、そのリスクを深刻に考えず、「有効利用」と称してオークションをやればよいという考えも根深いのです。ワシントン条約では、付属書Ⅰ掲載種の身体部分・製品(象牙など)については、学術目的、教育、法執行、識別試料に用いることができない場合、保管し続けるか廃棄しなければならないと決議されています。野生生物保全へリーダーシップを発揮しているインド政府ならではの条約決議の精神を明確に実行しようとする決定です。




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