What's New

2013年度 活動のご報告・イリオモテヤマネコ

【成果】
・ヤマネコが餌場にしている水田の土地改良事業について、5年間事業者の沖縄県に働きかけた結果、ヤマネコが滞在場所に使っているアダン林の保存が決定。
・交通事故防止のためのやまねこパトロールを通年で実施。警察もパトカーで夜間巡回を開始。
・西表島の全小中学校で、3年連続の「ヤマネコのいるくらし」授業開始。

 

<イリオモテヤマネコ基金>
イリオモテヤマネコ生息地保全プロジェクト:14万6,532円
パートナー:イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会(委員長:土肥昭夫)

・イリオモテヤマネコがいるアダン林を伐採・埋立しないことに決定

西表島ヨナラバル地区の農地で土地改良事業が行われます。ここはヤマネコが餌場や休息などに使用しています。農地の中には、放浪するオスネコや子育てをするメスネコが移動・滞在場所として利用するアダン林が帯のように延びていますが、計画ではこれを伐採・埋め立てる予定でした。JTEFは計画段階から5年にわたり調査・提言を行い、今回、アダン林の保存が決定されました。

Photo:帯のように海岸へ続くアダン林

Photo:アダン林で自動撮影されたメスネコ

写真提供:環境省西表野生生物保護センター

 

やまねこパトロール:140万6,985円

ヤマネコの交通事故を防止するため、地元の方々と協力したやまねこパトロール・チームが夜間パトロールを行っています。二人一組で車に乗り、19:30~22:00の間、ヤマネコの目撃情報のある場所を中心に時速20~30kmで走ります。遭遇車両にスピードを落とすよう警戒を呼び掛けるとともに、今後の交通事故対策に役立てるため、遭遇車両や路上に現れる生物のデータも記録しています。
・2014年7月9日、メンバーが路上で子ネコに遭遇。子ネコは人を前にしても、なかなか森に戻ろうとしません。ガードレールをたたいて大きな音を出し、追い返し活動を行いました。翌日には現場の状態を確認、ヤマネコの飛び出しを発見しやすいよう路肩の草刈りなどをしました。

・2014年8月17日、カエルやガと路上で戯れる子ネコを発見。それ以外にも何頭ものヤマネコが路上に出ているのを確認しています。
・やまパトが記録した自動車のスピード測定データを警察にも提出、スピード違反が多い事態を重く見て、集落に絞っていた夜間巡回を、ヤマネコの目撃が多いエリアにも拡大することになりました。

Photo(上段):道路に飛び出してきた子ネコ

Photo(下):ガードレールをたたいて追い返しをしました

 

ヤマネコのいるくらしプロジェクト:115万6,122円

今年は全島の小中学校8校で「ヤマネコのいるくらし授業」を行います。今回は、JTEFのやまねこパトロールを題材に、夜間パトロールをしている人たちが遭遇するヤマネコの獲物となる生きものに焦点を当てました。やまねこパトロールのメンバーにも参加してもらいました。「出身の島はどんなところかと聞かれて、私はよく答えられなかった。みなさんは今のうちによく西表島の素晴らしさを見て感じておいてくださいね」という先輩の言葉は、子どもたちの心に響いたようでした。

Photo:左のお2人が地元のやまパトメンバー、右側はJTEFスタッフ


現地パートナーリンク集リンクのお願いお問い合わせ個人情報保護方針