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2016年12月19日配信

トラ・ゾウ・イリオモテヤマネコだより

2016年12月19日 No.42
NPO法人トラ・ゾウ保護基金
http://www.jtef.jp/

 みなさん、こんにちは。NPO法人トラ・ゾウ保護基金のメールマガジンをお届けします!

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みなさん、こんにちは昨年からメールマガジンを配信させていただいている坪井です。
メールマガジンやイベントなどで毎日動物達のことを考えているせいか、
ついに私の体重が生まれたての子ゾウの平均体重の110kgを超えてしまいました。
このまま順調に成長すると大人のジャイアントパンダの120kgにも到達できそうです・・・。
ところで、今年JTEFは西表島に支部を開設したり、

CoP17で象牙問題がとりあげられるなど、たくさんの進展がありました。
来年もがんばって動物たちのための活動を続けていきたいと思いますので、

引き続きご支援をよろしくお願いいたします!
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【JTEF最近の出来事&これからのイベント】

 

□2017年1月、2月のイベント情報
●総会
・JTEF総会
日時:1月21日(土)14時~

・JTEF交流会
日時:1月21日(土)15時~

両方とも会員以外の方でもオブザーバーとして参加することができます。

総会ではJTEFの組織運営と昨年度の活動報告を行い、交流会ではJTEFの活動などについて皆さんと事務局スタッフがざっくばらんに交流したいと思います。


●ヤマネコマラソン
・2017年2月11日(土)
今年も西表島でヤマネコマラソンが開催されます。
ヤマネコの交通事故ゼロを目指し、今年もJTEFからは理事長、事務局長、西表島事務局長が参加します。
若い西表島事務局長は23km走ります!
http://www.yamanekomarathon.jp/

 


□9月~12月の出来事
●12月18日 うえのトラ大使第3回ワークショップ
この日はトラと他の生きものたちとのつながりを学びました。宿題としてトラの獲物となるスマトラ島に生きるサンバージカ、イノシシ、ブタオザル、ホエジカの食べるものを調べてきてもらったので、動物園で仲間であるシカ、イノシシ、サルを観察したあと、室内でスマトラ島の森に生きものたちのカードを張り付けていきます。どれがトラの獲物に適しているのか、なぜか?など考えてからトラのハンティングの様子をビデオで見ました。獲られる側のシカたちもそれぞれ身を守る術を身につけています。

このビデオやその後のゲームから、トラも獲物たちも生きるのは大変だ-という実感をもって、次は今までのワークショップで学んだこと、大使たちの思いを入れたすごろく作りです。ルールも大使たちが作ります。そして、実際に大きなサイコロを転がしてやってみました。みんな、わぁわぁ言って大盛り上がり!このすごろくは2月5日、上野動物園でお披露目されます。お楽しみに!


●11月6日~8日、21日、22日西表島「やまねこのいる暮らし授業」
11月に西表島の3校でヤマネコ授業をしてきました。7日に行った上原小学校では毎年4年生が「ヤマネコのいるくらし授業」を受けることになっていて、12月に行われる全校学習発表会で、授業を通して生徒たちが考えたことを発表してくれます。

今回のJTEF授業では、スピードを出す車に轢かれそうになる怖さを体験する他に、ヤマネコにとってのもう1つの脅威をゲームで感じてもらいました。それは、最近増えてきた、ヤマネコの生息地までずかずか入り込む観光客。ゆっくりと獲物を探しているとき、ヤマネコ捜しにやってくるツアー客に出会い、ヤマネコたちはストレスを感じているはず。このゲーム終了後、「車と違って命の危険はないけど、ずかずか入ってくる人たち、邪魔で、すごく嫌だった。」とヤマネコになった皆は口をそろえて言いました。

西表島支部の高山事務局長に送ってもらったこの4年生の学習発表会ビデオを見て、しっかり自分の意見を述べた生徒たちに感動しました。JTEFが授業をする目的は、ヤマネコがいる島で生きものたちと共に暮らすことって、とても贅沢なことなんだと、島を出る前から十分感じてほしいことと、彼らから大人に島の多様性を真剣に守って欲しいと伝えてもらうこと。この2つが実現できるまで、授業を楽しく続けていきます。



●11月8日~17日 インド視察
インド視察の最初は、インドアッサム州のグアハティにて国際自然保護連合(IUCN)のアジアゾウ専門家グループの会合に参加しました。
アジアゾウ専門家グループの委員長でありJTEFが支援しているWTIの事務局長でもあるビベック・メノンさんは、
「参加者が互いを知り、アジアゾウ存続のために自分が何をしているのかを互いに話そう」と語りかけました。

 

会議後は、カジンランガ国立公園に移動しました。
国立公園内では、サイ、ゾウ、トラ、シカ、ベンガルヤマネコすべての野生動物の交通事故を防ぐため、車を徐行させるほどの凹凸を道路に付けるなどの措置が採られています。

下記はゾウが通るゾウ道です。

国立公園で見つけた世界一長い角を持つアジアスイギュウ、家畜化された水牛とは角の形も大きさも、又、体の大きさも、全く異なります。

国立公園から丘陵部のカルビ・アングロンに向かいました。
ここでは、コリドー(ゾウの移動を保障する森)の真ん中にあった村を移動するプロジェクトの成果を確認しました。
下記の写真はゾウのコリドーの基点を示す石碑です。


織物の技術と材料の支援も行っています。現金収入も必要なので、他所へ売れるものを作る職を身につけることが村の女性たちの現実的な要望です。


コリドーの外に引っ越した村の人たちはとても満足してくれました。何より、陸稲の80%以上がゾウに食べられていたのに、村の移転と同時に新たに供給された水田での水稲耕作に代えたら被害がなくなったことが大きいです。

同じカルビ・アングロンのJTEFの支援で昨年できたレスキューセンターーを視察しました。
パートナーのWildlife Trust of Indiaのカルビ・アングロンスタッフは3名、青いシャツ青年がレスキュー担当の獣医師です。

レスキューセンターの基本は、通報現場に駆けつけて救出活動や治療をして、出来るだけ現場に放すこと。衰弱や怪我がひどいと一時的に保護します。ゾウのような大きな動物はカジランガのセンターへ。今はベンガルヤマネコの子ネコがいます。モニタリングしつつ野生に返す予定

今回の視察での大きな収穫は、この4年間にゾウ1頭、人1人殺されなかったことです。そして、その理由でもあるのですが、インタビューした村人も、森林局レンジャーも、ゾウなど野生動物との共存を本気で目指す意識が確実に高まってきていることです。今後もコリドーを守る活動を展開して行きます!


 

●10月30日 うえのトラ大使第2回ワークショップ
10月30日(日)、上野動物園で第2回うえのトラ大使ワークショップを行いました。午前中は、「トラになってみよう」というゲームで、トラの暮らしを15人の大使が体験します。テリトリーを持つオストラ、持たない若トラ、母トラそれぞれで、餌を採るにも、寝床の確保にも違いがあります。

ゲームをやってみた子どもたちの感想です。「野生のトラは生きていくのが大変!」。若トラはテリトリーを持てず、他のトラが来たら場所を明け渡す、母トラは子の分も狩りをする、ワナに引っ掛かったり、村の家畜を採りに行って毒入りの肉に手を出したら「天国ゾーン」へ。トラの立場を実感。

午後のワークショップでは、まず、午前のゲームを体験し、説明も聞いて、知らなかったこと、気づいたこと、不思議に思ったことを出し合いました。「マーキングはなぜ木にするのか」「人に道路を作られるだけで、どうしてトラが少なくなってきているのか」。鋭い!

トラ大使の大きなミッションのひとつが、トラのことを知ってもらう、園内配布パンフを作ること。そこに学んだことが反映されます。パンフにあしらうトラと森も千切り絵で一生懸命表現しました。


●10月29日、30日 ヤマネコ祭2016 井の頭動物園
10月29日、30日に「ヤマネコ祭」が井の頭文化園(動物園)で行われました。ツシマヤマネコが主役ですが、イリオモテヤマネコ代表?でJTEFも参加しました。
ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ、販売しているグッズを見ても顔がかなり違います。
丸顔の可愛いツシマと精悍なイリオモテヤマネコ。どちらも魅力的ですが、どちらも絶滅の危機にある日本を代表する野生のネコです。


●10月15日、16日 ディワリ イン ヨコハマ
10月15日、16日に横浜・山下公園で行われた「ディワリ・イン・ヨコハマ」に今年もブース出展をしました。
インドの人々は100年以上前に横浜を訪ね、貿易を始めました。横浜市とムンバイ市の交流50周年が昨年のこと。
そういう縁でのイベントですが、駐日インド大使から紹介があったようにディワリは「善が悪を退散させる」お祭り。自然と、ゾウにとっての「悪」である象牙市場の閉鎖を想いました。


●9月22日 英国TUSK財団が開催するチャリティーパーティーに招待されました。
ワシントン条約会議が開かれるヨハネスブルクとロンドンの衛星回線で繋がれた東京の会場で、ウイリアム王子は「象牙とサイ角の取引が続く状況は今変えなければならない」と力強くのべられました。


●9月23日~10月5日 ワシントン条約締約国会議
日本の特異さが際立ちつつ、野生生物保護に新たな一歩を踏み出したワシントン条約。一方、各国を動かした背景には、皮肉にも、ゾウ、サイ、様々な生きもたちへの危機の高まりがあったことを直視する必要があります。大事なのは、これから。JTEFは日本の象牙市場閉鎖の実現に向けて行動していきます。
ワシントン条約締約国会議開催中のJTEFのツイートは下記のblogからご覧ください

 

・9月23日~26日
http://jtefblog.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/17-923926-6944.html

・9月27日~10月2日
http://jtefblog.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/17-927102-7b52.html

・10月3日~10月5日
http://jtefblog.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/17-103104-2c1e.html


●9月9日 トラとゾウを守るインド ナイト ライブ 2016
9月9日にJTEFの活動を支えるチャリティー実行委員会が、9月9日(金)の晩に新宿駅近くのインド料理店にて、絶滅の危機にあるトラやゾウのための「トラとゾウを守る インドナイトライブ」を開催して下さいました。
ライブでは司会進行をボランティアの鈴木美帆さん、田口美香さんのお二人がやってくださり、トラが大好きなボランティアの近藤さんは長身をいかしてカメラマンをしてくださいました。
トラやゾウが暮らしているJTEFの活動地でもあるインドの野生の世界を、国広和毅さんが今回のライブのために曲を作って披露してくださいました。
坂元事務局長のメモになにげなくかいてあった「おれたちゃこんなに困っている」というゾウやトラの気持ちを代弁したかのような言葉を歌の中にとりいれて、歌としてもメッセージとしてもとてもすばらしいものでした。
もう一度聴きたいです。

インドにまつわるクイズを実施し回答はアンジェラ・ラーガさんがボリウッドダンス中に答えを教えてくれるという趣向でとても盛り上がりました。

40人以上のお客様の中にはインドからの留学生さんたちもいて、アンジェラ・ラーガさんのボリウッドダンスにあわせてみんなで踊り、途中からは国広さんがギターをもって参戦、
熱気にあふれるダンスと歌でライブは無事終了しました。


最新情報やニュースなどはツイッターとフェイスブックで逐次配信中です!
JTEFツイッター:https://twitter.com/JTEFstaff
JTEFフェイスブック:https://www.facebook.com/japantigerandelephantfund/


□やまねこパトロール中のイリオモテヤマネコ目撃情報

・7月29日
時刻:20時46分
状況:大き目の成獣。時速20kmで走行中、車の15m前あたりから勢いよく飛び出す。勢いよく右も左も見ずにクイナのように飛び出してきた。その後こちらを見ながら海側へ横断していった。

 

・8月1日
時刻:20時10分
状況:仔猫。白浜方面に走行中、車の約30m先を海側~山側に道路を横断。車に驚くような様子はなし。道路を横断後はパイヌマヤリゾートのポンプ小屋?のフェンス下にうずくまっていたので、車から降りて近づくと慌てて藪の方に逃げていった。目撃現場付近に生き物の気配はなし。
今回の目撃地点付近で、車に恐怖心がない様子の仔猫の複数回の目撃情報あり。

 

・8月1日
時刻:20時45分
状況:山側にある灰色の柵の中(藪の中)にいるところを発見。暗くてよくわからなかったが小型の印象。仔猫、もしくは亜成獣か。車を停車後も様子を伺う様にこちらを見ており立ち去る様子がなかったが、車から降りたところ藪の中にゆっくりと入っていった。
柵を叩く、藪をガサガサするなど追い返しを行ったが、大原祭りで交通量が多かったため、その後その場に留まり注意喚起を行った。出没地点附近にはカエル・ヘビ・カニなど小動物の気配はなし。

 

・8月29日
時刻:20時3分
状況:山側の道路の端に発見。車をバックさせて戻るとすぐに山の中に入った。成獣。

 

・8月29日
時刻:20時13分
状況:道路の植え込み(ソテツ)の下で発見。手前で車を止め、確認に外に出る間、外に出る間ソテツの反対に隠れていたが、近づくと山の中に逃げていった。(近くのポールを叩き脅かした)仔猫。

 

・9月29日
時刻:21時39分
状況:仔猫。歩道でこちらを見ていた。
車を止めて降りると海側の方に逃げていった。
現場の附近には特にエサになるようなものはなし。

 

・10月24日
時刻:18時25分
状況:海側側溝付近にいて車に気づいても慌てることもなく
2、3歩歩いて座りこちらを見つめ、数秒後山に入っていった。体は小さめ。

 

・10月24日
時刻:22時40分
状況:山側歩道から顔をだしていた。車が近づくと走って山側に(おそらく)入っていった。体は小さめの印象。

 

・11月21日
時刻:20時44分
状況:海側路側帯に丸くなって座っていた。運転中かなりネコに接近してから気づいたため、
ブレーキをかけて停車した時には、車の位置が丁度ネコの横になったが、車の停車と同時に海側藪の中に入っていった。やや小型の印象を受けたため亜成獣と思われる。付近にはアオガエルやベンケイガニが見られた。暫くその場に留まり藪を払うなど軽い追い返しを行ったが、再び出てくる気配はなかった。

 

・11月21日
時刻:21時22分
状況:海側V字側溝と藪の間で丸くなって座っていた。同じくネコに気づくのが遅かったため、ブレーキをかけて停車した時には、車は丁度ネコの横になった。停車と同時に海側藪の中に入る。
こちらも小さめの印象。亜成獣と思われる。目撃地点付近の路上に生き物の気配はなかったが、パトロール中、全区間でベンケイガニ、ヤエヤマアオガエル、ヒメアマガエルなどが多かった。また、ユツン~高那にかけて、カマドウマがたくさん路上に出ていた。こちらも藪を払うなど追い返しを実施。

 

□10月~12月のメディア情報

●ニューズウィーク日本版:南アフリカの取引合法化はサイを救うか
http://top.tsite.jp/news/news/o/33688282/?sc_cid=tcore_a99_p_taff_0_tw__2B5B91E6852A2455-400001058004BAE4_

 

●ハフィントンポスト:象牙求め密猟、アフリカゾウの減少止まらず/2000万頭から35万頭へ。問われる人類の智
http://www.huffingtonpost.jp/shinringunka/african-elephant-humanity-_b_13219432.html


●西日本新聞:トラの牙、ネット販売容疑 山梨の男ら4人書類送検
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/292577


●静岡新聞:無登録象牙売買の疑い 会社役員ら書類送検 静岡県内初
http://www.at-s.com/sp/news/article/social/shizuoka/304624.html


●AFP BB NEWS:違法象牙の90%以上、3年以内に密猟したゾウから採取 研究
http://www.afpbb.com/articles/-/3107184?cx_part=txt_topics


●毎日新聞:象牙の国内取引 監視の強化が不可欠だ
http://editorial.x-winz.net/ed-28155


●北海道新聞:象牙国内取引 抜け穴黙認は許されぬ
http://editorial.x-winz.net/ed-28225

 

皆さま、お体に気を付けて良いお年を。

 

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○発行人 戸川久美
○編集 坪井敦志
○Copyright (C)認定NPO法人トラ・ゾウ保護基金 2010‐
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