プレスリリース:西表島におけるキャンプ・たき火ツアーの 市場開放について竹富町自然観光課に要望書を提出しました

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2024(令和6)年1月29日に開催された西表島エコツーリズム推進協議会において、事務局の竹富町自然観光課から西表島の海浜9か所におけるキャンプ・たき火ツアーの市場開放を検討している旨の説明がなされました。キャンプ候補地のうち4か所は第Ⅰ種特別地域及び世界遺産区域に指定されており、イリオモテヤマネコをはじめとする希少野生動植物および周辺環境への悪影響が懸念されています。

竹富町はこれまで、一般住民か事業者かを問わず、西表島島内ではキャンプ場などの指定場所以外でのキャンやたき火を行わないようお願いないし行政指導してきました。2022年9月に国に認定された西表島エコツーリズム推進全体構想(以下 全体構想)においても、「キャンプ、たき火等の行為は原則禁止する」とされています。また、恒常的に利用されているフィールド20か所を上限としてそれ以上利用箇所が増大しないよう制限するとしている西表島観光管理計画(2023年3月策定)とも明らかに矛盾しています。

そして、検討の経緯についても問題があります。竹富町は全体構想策定時にキャンプ・たき火ツアーを検討するべき課題として整理したと説明していますが、西表島エコツーリズム推進協議会(以下 協議会)では、全体構想策定時にキャンプやたき火についての議論がなされたことは一度もありませんでした。それにも関わらず、あたかも協議会で合意されたことであるかのように全体構想に除外規定が組み込まれ、非公開WGで市場開放前提の議論がなされています。キャンプ・たき火ツアーの解禁は、周辺環境への直接的な影響のほか、緊急事態時の捜索救助、火災発生リスクなどの問題もあり、広く島民で議論するべき課題です。

以上の検討から次項の3点を竹富町に要望しました。なお回答期限は2024(令和6)年5月31日とさせていただきました。

1.協議会での議論に先立って、すべての西表島住民を対象にしたアンケートを実施すること。また、アンケート実施前には住民に十分な期間をとって告知を行うこと。

2.前項のアンケート結果を集計して住民に事前公開したうえで、事務局である町自然観光課担当者だけでなく、野営WGメンバーも出席のうえで住民説明会を開催し、キャンプ・たき火行為を市場開放することの是非について島民との議論を尽くすこと。

3.住民説明会の結果を踏まえ、西表島観光管理計画との整合性に関して沖縄県と協議し、同計画を改定してキャンプ・たき火ツアーの部分的市場開放を実行すべきかどうかを、慎重に検討すること。