プレスリリース:日本の首相、象牙市場の閉鎖を求められる

1000 1024 Japan Tiger Elephant Organization

11月14~25日に開催される「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約)第19回締約国会議(CoP19)を前に、非政府組織(NGO)らが、日本の岸田文雄首相に対し、象牙取引に脅かされるゾウを保護するため、象牙市場の閉鎖を約束するよう求めている。

首相に宛てられた書簡では、次のように述べられている。「アフリカは遠い地ではありますが、日本は、象牙の合法市場を閉鎖することによって、この問題で役割を果たすことができます。私たちは、総理が日本の国内象牙市場を閉鎖することにコミットされ、日本が他国と協調して象牙のための殺戮からアフリカのゾウを保護するための大きな一歩を踏み出す準備がある、とのメッセージを国際社会に発信していただきたく、お願いを申し上げる次第です。」

日本は、国際社会の同胞たちの後塵を拝している。中国、米国、イギリス、ヨーロッパ連合、シンガポールその他の世界のリーダーたちは、それぞれ象牙市場を閉鎖した。2016年、ワシントン条約の締約国らは2016年、密猟または違法取引に寄与する合法象牙市場を有する国は、市場を閉鎖するための措置をとらなければならないと合意した。­­日本もそこに加わっているが、自らの市場が違法取引を助長する役割を果たしていることは否定する。

EIA(環境調査エージェンシー)のエイミー・ゼツ・クロークは述べる。「日本は現実から目を反らしています。日本の開かれた市場とうわべだけの規制が違法象牙の国内取引とその輸出を許してきたことは、何年にもわたって証拠づけられてきました。日本はその役割を果たし、きっぱりとその市場を閉鎖しなければなりません。今がその時です。」

トラ・ゾウ保護基金の坂元雅行は、「日本の象牙市場が開かれている限り、犯罪者と観光客が日本を象牙の手軽な入手源とみなし続けるでしょう。私たちの最新の報告書の分析によれば、日本で入手された象牙に関する中国の刑事判例に現れた事件のほぼ半数が、組織的な犯罪集団による犯行だったのです」と指摘する。

日本の国内市場は、今も残されたもっとも顕著で開かれた市場として、来るCoP19の「国内象牙市場の閉鎖」の審議においてスポットライトを浴びることになるだろう。アフリカのゾウの9つの生息国が提案した議案書では、日本市場の問題点がクローズアップされている。そして、違法な象牙の国際取引に関係していることの裏付けがある市場を未だに開いている国に対して市場閉鎖の履行を求めるよう、締約国会議に求めている。

デビッド・シェファード・ワイルドライフ・ファウンデーションおよびフォンデシオン・フランツ・ウイーバーの上席アドバイザーのロザリンド・リーブ博士は「日本は、世界最後の主要な合法象牙市場です。この市場を開いておくことは、取引を維持することになり、それはゾウがこの先も殺されることを意味します。私たちは、日本に対して、9か国のアフリカのゾウ生息国が提出した議案を支持し、緊急に象牙市場を閉鎖することを求めます」と述べる。

IFAW(国際動物福祉基金)の米国部長ダニエル・ケスラーは、「日本が国内象牙市場を閉鎖し、自分たちは在庫象牙の買い手ではないと発信しない限り、日本はワシントン条約における象牙取引再開をめぐる終わりのない論争をたきつけることになります。今こそ、日本は、米国と中国を含む世界の同胞たちに加わり、アフリカのゾウを守るために、語ることから真の解決策を実行することへと転換すべきです。」

各団体は、日本に対して緊急にその国内象牙市場を閉鎖することを求めるとともに、岸田首相に対し、政府代表団を通じ、CoP19の場で国内象牙市場を閉鎖し、ゾウの保護を約束する政治的コミットメントを示すよう求めている。

注釈:

  • この書簡に署名した団体は、次のとおり(英&仏名)。

Born Free Foundation, Center for Biological Diversity, David Shepherd Wildlife Foundation, Environmental Investigation Agency, Fondation Franz Weber, International Fund for Animal Welfare, Japan Tiger and Elephant Fund, Pan African Sanctuary Alliance, Pro Wildlife, Wildlife Conservation Society