ブログ:ワシントン条約で「国内象牙市場閉鎖決議」が採択!

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2016年9月25日にワシントン条約)の第17回締約国会議(CoP17)が開催されました。その際、「国際自然保護連合(IUCN)/ 種の保存委員会(SSC)アフリカゾウ専門家グループ」によって発表された「アフリカゾウ生息状況報告書2016」では、アフリカ大陸全体でゾウの個体数は、2006年以来11万1000頭減少し、2015年時点で41万5000頭にとどまったとされており、関係者に改めて衝撃を与えました。
このような状況の中、ケニア、ニジェールなどアフリカゾウが生息する10か国は、会議開催に先立つ年4月、CoP17に国内象牙市場閉鎖決議を提案していました。また、米国も別途、国内象牙市場閉鎖の要請を盛り込む提案を提出していました。

 

これらの提案は、CoP17の第2委員会で一括して審議されましたが、国内象牙市場閉鎖に関する箇所の具体的な文言については、第2委員会が設置した作業部会で調整が図られました。
JTEFはCoP17にオブザーバー参加しましたが、この作業部会にも出席して発言を行いました。密猟や象牙の違法取引にまったく関係しない象牙市場など存在するはずがない、とくに日本の象牙取引管理には抜け穴が多く、市場を閉鎖しなければ他の国の市場閉鎖の努力を損なう、と主張しました。日本政府は、決議案を骨抜きにするような文言の修正を提案しましたが、まったく支持されませんでした。
作業部会で修正された決議案は、最終的にはCITES決議10.10の一部として、国内市場閉鎖を関係国へ勧告する内容とされ、第2委員会、本会議とも全会一致で合意に至りました。国内象牙市場閉鎖決議のもっとも革新となる部分は以下のとおりです。

「その主権の及ぶ範囲内に、密猟または違法取引の一因となる、合法化された国内象牙市場または象牙の国内商業取引が存在するすべての締約国および非締約国は、その未加工および加工象牙の商業取引が行われる国内市場を閉鎖するために必要な、法令上および執行上の措置を緊急にとることを勧告する。」

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