報告書:イリオモテヤマネコとの共存に向け、生息地保全に向けた調査報告書を竹富町長に提出(2011年)
https://www.jtef.jp/wp/wp-content/uploads/2024/08/hozentyousa_Iriomote-map-1024x596.jpg 1024 596 Japan Tiger Elephant Organization Japan Tiger Elephant Organization https://www.jtef.jp/wp/wp-content/uploads/2024/08/hozentyousa_Iriomote-map-1024x596.jpg2011年1月24日、人間活動とヤマネコの暮らしの共存をはかりヤマネコの生息地破壊を未然に防止する目的で、土地利用においてヤマネコの生息に配慮すべき事項を「イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会」の専門家と、トラ・ゾウ保護基金でとりまとめた第1次イリオモテヤマネコ生息地保全調査報告書が公表されました。これが、今日のやまねこパトロールによるオーバーツーリズム対策、交通事故防止対策、開発事業対策など、すべてのイリオモテヤマネコ保全活動の基礎となっています。
当時の西表島では、大規模な土地取引がいくつか行われており(船浮地区、崎山地区2カ所、ホネラ高那地区)、将来リゾート開発用地とされることが懸念されていました。また、県営土地改良事業契約が2件検討されていました(西表地区、ヨナラ原地区)。これらのうち、土地取引が行われた場所については、依然として潜在的な開発リスクが継続しています。また、この報告書発表時点では浮上していなかった土地利用もいくつか起きています。
土地利用に当たって避けるべきこと、影響緩和のためになすべきこと等、科学的知見に基づく配慮事項を、関係機関が可能な限り早期に実施すること。これが、コストやトラブルを最小化し、より合理的に、人間活動とヤマネコの共存をはかる方法です。
「第1次イリオモテヤマネコ生息地保全調査 報告書」の概要
西表島低地部を11地区に分け、地区毎に以下の情報をまとめています。
・イリオモテヤマネコにとっての環境特性とヤマネコの利用状況
・土地利用の現状と将来計画
・土地利用の現状・変化がヤマネコに与える影響
・土地利用にあたって配慮すべき事項
イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会(委員長:土肥昭夫 元長崎大学教授)のコメント
「イリオモテヤマネコの専門家からなる『イリオモテヤマネコ生息地保全調査委員会』(委員長:土肥昭夫 元長崎大学教授)は、2009年6月に発足しました。発足以来、人間の土地利用とイリオモテヤマネコの生息との衝突が問題になりやすい『低地部』(ほぼ標高200メートル以下の土地)において、人間とヤマネコが共存できるような土地利用のあり方を実現するための配慮事項を明らかにするための科学的調査・分析を行っています。『第1次イリオモテヤマネコ生息地保全調査 報告書』はその結果をとりまとめたものです。この調査のために必要なデータ収集にあたっては、環境省那覇自然環境事務所、同西表野生生物保護センター、沖縄森林管理署、沖縄総合事務局、沖縄県八重山農林水産振興センター、および竹富町のご協力を得ています。」