プレスリリース:象牙が、法の抜け穴を通じて合法市場に紛れ込み、海外へ違法輸出されていく実態が明らかに~国内象牙市場閉鎖の実現を
https://www.jtef.jp/wp/wp-content/uploads/2026/02/Toyomi-Tanaka-AE-1024x1017.jpg 1024 1017 Japan Tiger Elephant Organization Japan Tiger Elephant Organization https://www.jtef.jp/wp/wp-content/uploads/2026/02/Toyomi-Tanaka-AE-1024x1017.jpg2026年2月2日、警視庁が無登録の象牙(全形が保たれたもの)の違法取引容疑で、関係者・関係法人を逮捕、書類送検したことが報道されました。経産省、環境省もこの件について記者発表しています。
本件の悪質性
本件は、以下の点で特に悪質である。
・登録事業者が、無登録全形牙を単純にヤミで売るのでなく、象牙類似の素材と偽ってオークションに出品する手口で、合法市場に紛れ込ませて販売していた。
→登録事業者が種の保存法の抜け穴を利用し、違法に取得した象牙を合法市場に紛れ込ませるビジネスが横行している実態が明らかに。
・この登録事業者からの象牙の販売先の一つは、タイへ輸出するために象牙を買い付けた輸出代行業者だった。
→登録事業者を通じて合法市場で入手された象牙が、海外へ違法輸出されていく過程の一端が明らかに。
・この登録事業者からのもう一つの販売先である別の登録事業者は、買い付けた全形が保たれた牙を、法律上登録が不要となるように分割し、転売していた。
→登録事業者が象牙の登録制度の大きな抜け穴を利用している実態が明らかに。この抜け穴は広く悪用されている疑いがある。
象牙の違法取引によってゾウを絶滅させてはならない
世界有数を誇る日本の合法象牙市場は、効果的に管理できていない。
象牙が、法の抜け穴を利用する登録象牙業者と国際的密輸グループの手で海外へ輸出されている。
結果、世界の象牙需要を刺激し、ゾウの密猟リスクが高まっている。
日本は、ワシントン条約で採択された決議にしたがい、種の保存法を改正して国内象牙市場を閉鎖すべきである。
参考1: 種の保存法による象牙の国内取引規制の概要
象牙の取引を原則的に禁止しつつ、極端に広い例外を認めている。その結果、ありとあらゆる象牙の取引が許されている。ただし、
・全形を保持している象牙[1](全形牙)に限っては、ワシントン条約による国際取引禁止前に輸入されたか、その後条約上の許可を受けて輸入されたものとして「登録」を受けない限り、取引が許されない[2]。
・業として行う全形牙以外の象牙の取引は(「特別国際種事業」)、「事業登録」を受けずに行ってはならない[3]。
[1] 環境省が定める「『全形を保持している象牙』及びその加工品の解釈」
[2] 法第12条第1項6号、第20条第1項、令第6条
[3] 法第12条第1項7号、第33条の6
参考2:本件の概要(特に引用する場合を除き、経産省・環境省発表[1]および警視庁発表[2]による。)
被疑者(法人): チャオジャパン株式会社(代表者:竹前直人、所在地:長野県上高井郡高山村大字高井4869番地11、特別国際種事業者登録番号:06286、古物商)
被疑者:竹前直人(居住地:長野県上高井郡、47歳)逮捕
被疑者:折見将治(居住地:広島県呉市安浦町、53歳、特別国際種事業者番号:05936)逮捕
被疑者:吉田某[3](居住地:広島県呉市、48歳)逮捕
被疑者(法人): タラワディ株式会社(代表者:中鶴グリッサナー、所在地:長野県中野市大字吉田9 3番地2)
被疑者:某(氏名不詳、タラワディ取締役、長野県下高井郡居住、33歳)書類送検
1 竹前被疑者は、古物営業を営む被疑法人チャオジャパンの代表取締役であるが、
第1に、2025(令和7)年2月1日から同年4月7日までの間、3回にわたり、遺品整理などで回収した[4]アフリカゾウの全形牙3本を無登録のまま、「象牙風 マンモス 天然素材」などと記載のうえ[5]、画像および販売価格、販売する旨を掲示し、インターネットオークションサイトへ広告した。
第2に、2025(令和7)年2月1日から同年4月7日までの間、前記無登録全形牙3本を、折見被疑者、吉田被疑者、某被疑者)の3名に対して、代金合計108万3,690円で譲渡した。
2 折見被疑者および吉田被疑者は、共謀の上、2025(令和7)年2月20日頃、折見被疑者方において、竹前被疑者が発送した無登録の全形牙1本を、代金55万3,620円で譲り受けた。被疑者らは、この全形牙を小さくカットして第三者へ販売していた[6]。
3 被疑者某は、輸出代行業などを営む被疑法人タラワディの取締役であるが、2025(令和7)年2月12日、竹前被疑者が発送した無登録の全形牙1本を、代金38万2,260円で譲り受けた。被疑者某は、この象牙をタイに輸出する予定だった[7]。
[1] 2026年2月2日付経済産業省発表「種の保存法違反事件被疑者等の検挙について」
https://www.meti.go.jp/press/2025/02/20260202002/20260202002.html
同環境省発表 https://www.env.go.jp/press/press_02768.html
[2] 2026年2月2日付経済産業省発表、環境省発表に添付された「警視庁:絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律違反事件被疑者らの検挙について(情報提供)」
[3] 2026年2月2日付TBS記事「象牙を違法に販売した疑いで買取販売会社の代表の男ら3人逮捕 約108万円を得たか 警視庁」
[4] 2026年2月2日付TBS記事
[5] 2026年2月2日付産経新聞記事「『無登録の象牙』をネット販売した疑いで逮捕 古物業の47歳男『処分に困っていた』」
[6] 2026年2月2日付NHK記事「無登録の『象牙』ネットで売買か 古物商ら3人逮捕 警視庁」、2026年2月2日付日経新聞記事「無登録の象牙販売疑い逮捕 男『処分に困っていた』」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD022P70S6A200C2000000/
[7] 2026年2月2日付NHK記事



