プレスリリース:ワシントン条約CoP20(11月24日開催)-ウナギだけではない、もうひとつの焦点:国内象牙市場閉鎖
https://www.jtef.jp/wp/wp-content/uploads/2025/11/a83ffc0f331fc02c4d70e7202290cc6e.jpg 302 299 Japan Tiger Elephant Organization Japan Tiger Elephant Organization https://www.jtef.jp/wp/wp-content/uploads/2025/11/a83ffc0f331fc02c4d70e7202290cc6e.jpg来たる2025年11月24日~12月5日、ワシントン条約第20回締約国会議(CoP20)がサマルカンド(ウズベキスタン)で開催されます。
日本に深くかかわる議題としては、ウナギ属の附属書改正提案(提案国:EUおよびパナマ)に注目が集まっており、日本政府は、ニホンウナギについては特に、それ以外の附属書未掲載のウナギ類についても附属書IIへの掲載に強く反発しています。
もう一つ、日本政府が強く反発しているのが、国内象牙市場閉鎖に関する議題です(議案書CoP20 Doc.76.2. “Implementing aspects of Resolution Conf. 10.10 (Rev. CoP19) on the closure of domestic ivory markets”)。
この議案書は、アフリカゾウの生息国であるブルキナファソ、エチオピア、ニジェール、セネガルの4か国が提出しています。そこでは、「ゾウ取引情報システム」(ETIS)に蓄積された押収データが参照されつつ、関係締約国(日本を含む)から提出された報告書について、国内象牙市場が密猟や違法取引に確実に寄与しないようにするための措置を示すものとなっているかどうかが検討されています。そのうえで、日本を含む未だ市場を閉鎖していない締約国に対して、とられるべき措置を勧告する決定の採択が提案されています。
日本に対する評価については別に全文を紹介していますが、その結論部分は以下のとおりです。
過去のETIS報告書で強調されているように、日本は長年にわたる象牙の最終的な消費市場であり、1990年の取引禁止以来、ワシントン条約に基づく象牙の一回限定販売における購入者となってきた。国際象牙取引の歴史における日本の特異な立場、国外で押収された象牙の割合の高さ、そして将来的に違法取引に対する合法市場の寄与がさらに大きくなる可能性を考慮すると、決議10.10(CoP19改正)第3項、第4項、および第5項に従って、一部の品目について極めて限定的な例外を設けた上で、商業目的の象牙の国内取引を禁止する立法措置が緊急に必要であると考えられる。さらに、その新法あるいは改正法が効果的に執行されるよう、規制導入と連携した執行上の措置が必要である。
そのうえで、日本に国内象牙市場を閉鎖するための立法上の措置をとること等を求める決定の採択が提案されています。
日本に対して
密猟および違法取引に寄与しない一部の品目についての狭い例外を設けたうえで、商業目的の象牙の国内取引を緊急に禁止するための立法上の措置を講じ、決定18.117(CoP20改正)で求められている報告書に進捗状況に関する情報を含めるよう要請する。
日本政府は、この議案書に関する日本の立場(情報提供文書CoP20 Inf.24)と、経産省および環境省が象牙取引関連業界とともに設置した「適正な象牙取引の推進に関する官民協議会」による取組みを網羅した報告書(情報提供文書CoP20 Inf.25)を提出するという力の入れようです。
ただ、本議案書では、上記のとおり、日本政府が提出した報告書の内容を踏まえて、ワシントン条約上の公式データに基づく評価が行われていることから、その内容に対する批判は難しいようです。日本政府による反論(情報提供文書CoP20 Inf.24)のポイントと、その説得力に欠ける点は以下のとおりです。
1. 国内象牙市場閉鎖を求めることは、国際取引の規制を旨とするワシントン条約の権限外で ある。
<説得力に欠ける点>CoP17では、実際に国内象牙市場閉鎖勧告がコンセンサスで採択されており、日本もそこに加わっていた。
2. 議案書は、条約の公式プログラムである「ゾウ密猟モニタリング(MIKE)」または「ゾウ取引情報システム(ETIS)」に基づいていない。
<説得力に欠ける点>議案書における各国による措置の評価は、日本を含め、各国自身が提出した報告書の内容とETISデータに基づいている。
3. 日本は、国内市場が密猟または違法取引に確実に寄与しないようにするための措置に関する報告書を提出してきた。
<説得力に欠ける点>報告書を提出しさえすれば国内象牙市場閉鎖勧告を遵守したということにならないのは当然である。本議案書は、報告された措置の評価を行って、足りない点を勧告しようとするもの。
4. 日本は、アフリカゾウの密猟防止を支援してきた。
<説得力に欠ける点>アフリカにおける密猟防止に対して資金援助を行ったことは評価されるが、日本自身に向けられている国内象牙市場閉鎖勧告の履行とは別問題。
JTEFは、国内象牙市場閉鎖に関するアフリカ4か国による決定案等を支持しています。事務局長と事業担当理事の2名でCoP20にオブザーバー参加し、日本の象牙市場の問題点を正しく理解してもらえるよう、各国にはたらきかけます。



